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第46話 二人だけの記念・前編

Author: 八月 猫
last update publish date: 2026-08-01 09:02:14

大水槽を離れた後も、帝人さんは私の手を離さなかった。

混雑しているからという理由は、もう必要ないはずだった。

それでも私が何も言わなかったせいか、つないだ指はそのまま館内を進んでいく。

「次はクラゲでしたよね」

「ああ」

薄暗い展示室には、丸い水槽がいくつも浮かんでいた。

淡い光の中を、透明なクラゲがゆっくりと漂っている。傘が開き、閉じるたび、水の中へ柔らかな波が生まれていた。

「きれいですね」

「そうだな」

帝人さんの返事は上の空だった。

「見ていますか?」

「見ている」

「私をではなく?」

「両方だ」

「クラゲに集中してください」

「小春より優先する理由がない」

青い展示室で言われると、普段より逃げ場がない。

私はクラゲへ視線を戻した。

「帝
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